2011年05月23日

謎の集団

「これで、いいっすか?」


彼は、小走りにやって来て


ポケットから 小銭を取り出し


煙草と一緒に おっちゃんに渡した。


「おうっサンキュー!これで、ジュースでも飲みぃや」


男はいつもの如く チップを貰い 礼を言った。


実をいうと このおっちゃんは ただの客ではない。


このお店には プロと噂されている客が、数名いて


このおっちゃんも その中の一人である。

そして それらの人は お店から


出したコインの 数量を 制限されていた。

男は このお店に働いて、かれこれ半年になるので


この謎の集団の事は もちろんよく知っていた。


だが、彼も高校の頃から


パチンコや アレンジボールを打っていた訳で


学校を卒業してからは


日に、サラリーマンの日当ぐらいは 稼いでいた。


しかし、このスロットマシンというものは


数回打ったことはあったが


機械の印象としては パチンコと違い


機械の作りやゲーム性を 考えると


勝てる要素が、まったく無いように思えた。


確かに彼は このお店の常連である 友人数名から


このお店の スロットコーナーには


何かしらの方法で、絵柄を並べて


毎日、稼いでいるという噂は聞いていた。


実際、従業員の彼等は


ス  

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Posted by バーバー at 03:33 │コメントをする・見る(0)昭和 ギャンブル

2011年05月18日

序章

「にいちゃん 煙草買って来てくれへんか?」

小綺麗なダボダボでねずみ色の作業服を着た

常連のおっちゃんが、吸いきったセブンスターの空箱を

ぎゅっと捻りながら言った。

「はいっ!セブンスターですね?」

今でも 従業員がここまでのサービスを する事などないと思うが

もちろん その当時も同じである。

ただ、この男の場合 は 出来る限り

トラブルを回避したいという思いもあったが

一種の 悪賢い性格からくるものかも知れない。

客に嫌われて 嫌な思いをして働くより

出来る事なら 好かれて、気分良く働いた方が

よっぽど得だと思っていたのである。


昭和55年 沖縄ーー


だから 機械のトラブルで呼ばれた場合

それを直した後、中のコインを 数十枚取って

マシンの下皿へ入れてやっていた。

普通 全国何処の遊技場でも

トラブル解消後は コイン3枚分程度のサービスと

ほとんどの店舗で、決められているものだ。

だが、男は必要以上のサービスをしてやり

それ以外の場合でも
客のある程度の我がままも聞いてやっていた。


結果、公認ギャンブルという仕事柄  

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Posted by バーバー at 20:31 │コメントをする・見る(0)昭和 ギャンブル